読む、漫才。

おもしろいと思った漫才の文字起こしとかしてます。漫才は、読んでもおもしろい。

【読む漫才】ミルクボーイ/サイゼ(サイゼリヤ)

コンビ名:ミルクボーイ

駒場孝(こまばたかし)

内海崇(うつみたかし)

引用元: ミルクボーイ公式チャンネル「サイゼ」

以下、ミルクボーイの漫才からの引用です。

内海:どうも、ミルクボーイです。よろしくお願いします。

駒場:お願いします。

 

駒場:ちょっとね、今度うちのおかんの、誕生日があんねんけどね。

内海:あ、誕生日。めでたいね、それはねえ。うーん。

駒場:だからおかんの好きなごはん屋さん連れて行こうと思うねんけどな。

内海:あ、ええやんか、それなあ。うーん。

駒場:おかんに好きなごはん屋さん聞いてんねんけどな。

内海:ほうほうほうほうほう。

駒場:なんか、何回か行ったのに、その名前も忘れたって言って。

内海:店名、忘れて。ほう。

駒場:で、いろいろ聞いてんねんけどな、それがどこか全然わかれへんねんなあ。

内海:わかれへんの?

駒場:うん。

内海:ほなね。おれがお前のおかんの好きなごはん屋さんの名前いっしょに考えてあげるから。

駒場:おお。

内海:ちょっとどんな特徴言われたか、教えてみてよ。

 

駒場:なんかあの、イタリアンレストランらしいねんけどな。

内海:あ、イタリアンでね。ほうほうほうほう。

駒場:食べもんがとにかく安くて。

内海:あ、安くて。

駒場:特にあの、ドリアがめちゃくちゃ安いらしいねんな。

内海:サイゼやないか、それ。完全にその特徴、サイゼやで、お前。

駒場:あ、サイゼな。

内海:おかん、誕生日サイゼでええの?めちゃくちゃ安上がりやん、そんなん。

駒場:いや、わからへんねんな。

内海:サイゼやがな、絶対に。

駒場:わからへんねんて。

内海:なにがわからへんのよ?

駒場:いやおれもサイゼかなと思ってんけどな。

内海:いやそうでしょう?

駒場:おかんが言うには。

内海:うん。

駒場:そこ行く前の日は。

内海:うん。

駒場:楽しみすぎて。

内海:うん。

駒場:何も手につかへんらしいねん。

内海:ほおおお、ほなサイゼちゃうか。

駒場:おお。

内海:サイゼ気になってしゃあなかったことないもんね。

駒場:うーん。

内海:だいたいサイゼは前日から予定立てて行くようなとこちゃうのよ。サイゼは当日の流れで行きつくとこやねん、あれは。

駒場:そやな。

内海:サイゼとちゃうやん、そうなったら。

駒場:そやねんなあ。

 

内海:ええ?もうちょっと詳しく教えてくれる?

駒場:店内にはな。

内海:うん。

駒場:なんかあの 天使の画 飾ってるらしいねんけど。

内海:うーん。

駒場:誰も見てないらしいねん。

内海:いやサイゼやないか、お前。あんなに無視されてる画 ないからね。サイゼに決まりやがな、そんなん、もう。

駒場:いやわからへんねんなあ。

内海:なにがわからへんのよ。

駒場:いやそらおれもサイゼと思ったけどな。

内海:いやそうでしょう?

駒場:おかんが言うには。

内海:うーん。

駒場:服装によって入店断られるらしいねん。

内海:ほなサイゼとちゃうやないか、お前。サイゼ、そんなドレスコードみたいなんないのよ。

駒場:うーん。

内海:サイゼはパジャマから入店可能やねん、あれ。サイゼやで、それがお前。

駒場:まあなあ。

内海:サイゼとちゃうやん、そうなったら。

駒場:わからへんねん、だから。

内海:もうちょっと詳しく教えて。

駒場:だからあのー、店内のBGMがな。

内海:ほお。

駒場:4曲ぐらいずっとリピートしてるらしいねん。

内海:サイゼやないか。

駒場:はあ。

内海:あれ同じ曲流れすぎてね。

駒場:うん。

内海:2時間以上おったら気狂いそうなるんやから。サイゼに決まりやから絶対、そうなったら。

駒場:いやでもわからへんねんて。

 

内海:なんでまだわからへんのよ。

駒場:おれもサイゼやと思ったけどな。

内海:そうでしょ?

駒場:おかんが言うには。

内海:うーん。

駒場:料理がうまくてな。

内海:うーん。

駒場:シェフ呼んだら。

内海:ええ?

駒場:ひげ蓄えた

内海:おお。

駒場:恰幅のええおっさんが出てきたらしいねん。

内海:ほなサイゼとちゃうがな、お前。

駒場:ああ。

内海:サイゼでシェフ呼んでるやつ見たことないのよ。

駒場:ああ。

内海:もし出てきたとしても。

駒場:うーん。

内海:19歳のバイトの細い男の子出てくるだけやで、お前。

駒場:まあなあ。

内海:そなデカいやつ出てこうへんがな。

駒場:うーん。

内海:サイゼとちゃうやんか。

駒場:まあなあ。

内海:なんでサイゼやのにサイゼとちゃうのよ、これ。

駒場:わからへんねん、これが。

 

内海:え、ほかもうちょいなんか言うてなかった?うーん。

駒場:ティラミスがレンガぐらい固かったらしいねん。

内海:サイゼやないか。めちゃくちゃ固いねん、あれ。

駒場せやねん

内海:なあ?実際にレンガとして買いに来る人もおるんやから、あれ。

駒場:はあ。

内海:サイゼに決まりや、そうなったらずっと。

駒場:いやわからへんねんなあ。

内海:なにがわからへんのよ、もう。

駒場:いやおれもサイゼと思ってんけどな。

内海:そうでしょ?

駒場:おかんが言うには。

内海:おお。

駒場:いてるお客さんが。

内海:うーん。

駒場:みんな有意義な時間過ごしてたらしいねん。

内海:ほなサイゼとちゃうやないか、お前。サイゼのお客さんはね、いたずらに時間を費やしに来てんねん、あれ。

駒場:ほお。

内海:しょうもない話したりねえ。

駒場:うん。

内海:わけのわからんゲームをしたり。

駒場:ああ。

内海:安いワインを飲みに来とんのよ、お前。サイゼってそういうところやから、もう。

駒場:ああ。

内海:サイゼとちゃうねん、そうなったら。

駒場:わからへんねん、これが。

 

内海:おかんね、そんなにいろんな情報があんのに。

駒場:うん。

内海:ほんまに店の名前わからへんの?

駒場:特にな。

内海:うん。

駒場:最後の一文字が

内海:おお。

駒場:アなのかヤなのか、わからんらしいねん。

内海:サイゼやないかそれ。サイゼリアなのか、サイゼリヤなのか、いつもわからへんねん。

駒場:うーん。

内海:毎回調べるけど、毎回忘れんねんあれ、ほんまに。

駒場:そうやねん。

内海:サイゼに決まりやから、そうなったらもう。

駒場:いやわからへんねんて。

内海:なんでまだわからへんの、これ。

駒場:おかんが言うにはな。

内海:おお。

駒場:なんかお客さんのなかにあの「ねずみ講」の人もおったらしいねん。

内海:ねずみ講

駒場:おお。

内海:ほなサイゼとちゃうやないか、お前。

駒場:おお。

内海:ねずみ講ロイホに行くねん。あれ、お前。

駒場:おお。

内海:サイゼは安すぎて騙せへんらしいのよ。

駒場:はあ。

内海:ちょっと高めのとこ行かなあかんねん、ああいうときは。サイゼとちゃうやん、そうなったら。

駒場:そうやねん。

 

内海:これほんまにわかれへんやつやんか。

駒場:そうそうそう。

内海:え、ほなおかんの誕生日どこに連れて行くねんな。

駒場:いちかばちか

内海:うーん。

駒場:王将行くわ。

内海:いや絶対ちゃうやろ。もうええわ。ありがとうございましたー。

感想など

「誰も見ていない天使の画」や「レンガみたいに固いティラミス」など、スピード感のある「サイゼやないか」のやりとりがある一方で、「みんな有意義な時間を過ごしている」とか「客のなかにねずみ講もいた」みたいな、一瞬、「え?これもサイゼの特徴でしょ?」という空気を裏切ってくるスピードを殺したパワーゾーンがものすごい。

肯定の部分だけでなく否定の部分まで含めて、結局は「サイゼ」にとってのメリットを伝えているし、なんなら、途中で出てきた「ロイホ」も悪い気はしないと思った。

それと、例えばシェフを呼ぶくだりで 若干半笑いで相槌を打つなど、内海さん駒場さんともに、流れに応じて、相槌を微妙に変えているのも、おもしろい。